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2025年10月10日 (金)

プレイしなくてもいい。ゲームクラブの“観戦”という楽しみ方

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ゲームクラブに行くと、「今日は何かプレイしないと!」と使命感に燃えている方がいます。それは、ゲームクラブというツールを存分に活かして、ゲームライフを満喫している人です。とても素晴らしいことです。

でも一方で、こういう方もいます。

「プレイするのはちょっと気が重い…」
「ゲームが下手だから迷惑かけるかも」
「今日は見てるだけにしたい」

理由はいろいろありますが、それもまったく問題ありません。
今の私たちはいい大人。昔のようにがむしゃらに1日中ゲームする体力も、毎回気合を入れて対戦する気分でもないこともありますよね。

★観戦は「参加」のひとつです

ゲームクラブ=対戦する場所、というイメージが強いかもしれませんが、実は観戦も立派な参加のかたちです。

・ルールを知らなくても、プレイ風景を見るだけで自然と覚えられる。
・実際のプレイヤーのやり取りから、ゲームの魅力やテンポがつかめる。
・見ているうちに「やってみようかな」と思えることもある。
・戦術や作戦を学べる“ライブ研究会”的な楽しさがある

「観る」という関わり方も、立派にゲームクラブを楽しんでいる証なんです。

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★「ルールがよくわからない…」という人こそクラブへ

ウォーゲームや歴史ボードゲームにありがちなのが、

・ルールブックが厚くて読むのが大変
・自分で解釈したルールが本当に合っているのか不安
・ソロプレイしてもピンとこない

そんな人にこそ、ゲームクラブでの見学やインスト体験をおすすめします。

実際に誰かがプレイしているところを見るだけで、「あ、なるほどこうやるのか」と理解が一気に進みます。
ウォーゲームは、教えてもらうと理解スピードが段違いです。
一人で悩むより、気軽に「ちょっと見ててもいいですか?」と声をかけてみてください。

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★ミドルアースの空気感はYouTubeでもチェックできます!

YouTubeチャンネル「ミドルアースってどんなところ?」では、クラブの雰囲気やメンバーのトーク、本音レビューなどを公開中。
チャンネル登録はこちらからどうぞ!

★上手な人より“楽しい人”を募集中!

ゲームクラブ「ミドルアース」では、歴史ボードゲームやウォーゲームを一緒に楽しんでくれる方を常に募集しています。

上手さよりも、人柄重視
見学OK・観戦歓迎・インスト丁寧
初心者・出戻りさん・昔のゲームが懐かしい方、みんな大歓迎!

★対戦の予定やマッチング情報は掲示板「ウォーゲームの部屋」で公開しています。

どなたでも閲覧可能ですので、お気軽にご覧ください。

ゲームクラブ「ミドルアース」公式サイト

※ミドルアースは、サンセットゲームズの公式スポンサー付きゲームクラブです。

 

✨ 最後に

「遊ばなくても、そこにいていい」
「観てるだけでも、仲間だと思える」

そんな空気があるからこそ、ミドルアースは長く続いてきました。
これからも、みんなで協力し合って、無理なく、心地よく、楽しいゲームライフを作っていきましょう!

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2025年10月 9日 (木)

プレイヤー目線で語る、歴史ボードゲームの「おもてなしのココロ」

昨日はウォーゲームクラブの“良い話”をしましたので、今日はプレイヤー視点でのお話を。

ゲームクラブに所属すると、ゲームライフは本当に豊かになります。ですが、「クラブのメンバー全員と仲良くしなければいけない」なんてルールはありません。

10人いれば10通りの個性があります。技量も違えば、好みも違う。プレイスタイルも人それぞれ。だから、自分に合う人と楽しくやればそれで十分なのです。

たとえば、雰囲気重視でゆったり楽しみたい人が、勝利至上主義のガチ勢と対戦しても、お互いに楽しめないかもしれません。

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★「良い対戦相手」ってどんな人?

歴史ボードゲームを心から楽しむには、良い対戦相手との出会いが欠かせません。
では、その「良い対戦相手」とは?

それは…

おもてなしのココロがある人。

対戦相手に「楽しんでもらおう」と思える人こそ、最高の対戦相手なのです。

たとえば…

事前にルールブックを読み、ソロプレイしてくる人
→ ルールを正確に運用でき、ゲームの魅力を最大限に引き出す対戦ができる

困っている相手にそっと声をかけられる人
→ 聞きにくいことを察して助けてくれる気遣い

アドバイスを押し売りせず、相手のスタイルを尊重できる人
→ 自由なプレイを大切にしてくれる

長考しても嫌な顔をせず、黙って待てる人
→ 安心して集中できる環境を提供できる

勝敗にこだわりすぎず、会話を楽しめる人
→ 勝っても負けても笑顔で終われる!

勝負どころのダイスロール、相手が良い目を出してゲームに勝った!
そんな時に「お見事です!」と心から祝える人。

そういう人と、また遊びたくなりますよね。

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★ゲームも“接客業”の一つ?

おいしい料理を出しても、接客態度が悪ければリピーターは来ません。

歴史ボードゲームも同じ。
「勝つ」ことよりも「また遊びたいと思わせる」ことの方が、ずっと大事かもしれません。

「遊んでくれてありがとう」

この気持ちを忘れずにいれば、歴史ボードゲーム界はもっと楽しく、もっと豊かになります。

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★攻め合いのゲームでも「楽しかった」と思える関係を!

歴史ボードゲームの多くは、領地の拡大や敵の撃破が勝利条件です。
つまり、相手を攻めないと勝てません。

でも、攻められた側が機嫌を損ねたらどうでしょう?
それでも楽しく遊ぶためには、プレイヤー全員の協力と気配りが必要です。

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★『戦国大名』で語る、気持ちよい対戦のかたち

たとえば、ミドルアースのゲーム会ででよく遊ばれている『戦国大名』。
プレイ中に「桶狭間の戦い」のように、織田信長が「奇襲」の吉凶札(イベントカード)を出す!
攻撃側も、防御側も、ドラマのような展開にドキドキワクワク。
たとえ敗れたとしても「良いゲームだった!」と感じられます。

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実は、今川義元ってかなり有能な大名なんです。
威信5・内政4と、織田信長と同等。領国の安定度は抜群。
桶狭間の戦いは、本当に惜しかった…。

こんなふうに、ゲームを通じて歴史を語り合えるのも、歴史ボードゲームの醍醐味です。

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★『戦国大名』はサンセットゲームズBASEショップで好評発売中!

『戦国大名』は、プレイヤーが大名となり、天下統一を目指して戦国時代を生き抜く戦略ゲームです。

・398名の武将が個別ユニット化
・1人~16人用まで、シナリオ20本収録
・「信長の野望」のような感覚で国を経営・軍事運用
・TRPG要素もある、濃密な歴史体験型ゲーム!

日本の戦国時代が好きな方、長時間じっくり戦略を練るゲームが好きな方におすすめです。

サンセットゲームズのBASEショップで好評発売中!


まとめ:また遊びたくなるプレイヤーを目指して

「◯◯さんと一緒に遊ぶと楽しい!」
「◯◯さんとゲームがしたい!」

そう思われる人こそ、歴史ボードゲーム界にとって最高のプレイヤー。

「楽しくなければゲームじゃない」
「一緒に遊べることが何よりの幸せ」

その心を持ち寄って、これからも素敵な対戦の場を作っていきましょう。

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2025年10月 8日 (水)

出戻りさん、いらっしゃい-1980年代から令和の盤上へ

1980年代、第一次ウォーゲームブームの真っ只中に学生だった私たち。
昭和40年代生まれの世代。
いまでは、ボードゲーム世代のお父さんと同じくらいの年齢です。

時は流れて、令和の時代。
そんな私たち世代が、今ふたたびウォーゲームの世界に舞い戻ってきています。

今回は「出戻りさん」たちの声をまとめてみました。
懐かしさと再発見が入り混じる、その“復帰ストーリー”をどうぞ。

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★出戻りのきっかけは、ある日突然
出戻りさんたちがウォーゲームを再び知るきっかけは――
ヤフオクやメルカリです。
ふと検索してみると、あの頃遊んだタイトルが出品されている。

「オ~、マジでー!?ウォーゲーム出てるやん!」

これが、再び沼へと足を踏み入れる最初の衝撃。

そこから始まるネットサーフィン。検索するたびに、次々と新しい情報が現れる。そして、さらにもう一発。

「まだウォーゲーム売ってるやん!?」

Wikipediaで「ウォー・シミュレーションゲーム」と調べてみれば、日本のウォーゲームメーカーが現役で活動していて、それぞれの公式ブログや通販サイトにリンクしているではありませんか。

このあたりで、出戻りさんのテンションは最高潮に。

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★情報がある、仲間がいる、そして「今も続いている」
ブログを読み漁るうちにたどり着くのが、サンセットゲームズの『ウォーゲーム武芸帳』。実は、ある日だけ突然アクセス数が1,000を超えることがあります。これはもしかしたら、出戻りさんが15年分の記事を一気読みしているのかも…?

そして、とどめの一撃がこちら。

「ウォーゲーム、今でも遊んでる人おるやん!?」

サンセットゲームズ公式ウェブサイトを辿って、ウォーゲームクラブ「ミドルアース」の存在を知った出戻りさんたちは驚きます。

そう、今でもリアルに遊ばれている場所があるのです。

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★ミドルアースの魅力-"帰ってこれる場所" がある安心感
ここで終わらないのがミドルアースの良さ。
実は、新しく来た出戻りさんを迎え入れる雰囲気づくりに、メンバー全員がこだわっています。

今のミドルアースのメンバーは、穏やかで笑顔を絶やさず、対戦相手をリスペクトする素晴らしい方々ばかり。そして頼れる存在が、我らがおの部長。彼が出戻りさんをグイグイ引っ張ってくれるので、本当に助かっています。

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★見える化の取り組み-2023年からの成果
2023年からミドルアースでは、以下のような「見える化」の取り組みを実施しています。

・定例会レポートや活動予定を公式ブログやSNSでこまめに発信
・ゲーム会の対戦予定を掲示板で公開
・「常に新しい参加者ウェルカム」の姿勢を明示
・そしてなにより「サンセットゲームズが公式スポンサー」という安心感

これらの取り組みが功を奏し、実際に多くの出戻りさんが戻ってきました。

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★出戻ってきた人の物語(参考になれば)
いかがでしたでしょうか?
出戻りさんが、どうやってウォーゲームに戻ってきたのかというお話。
もしかしたら、この記事が他のゲームクラブの皆さまの参考になるかもしれません
そしてまた、どこかでひとつのウォーゲームの箱が開き、静かにユニットが盤上に並ぶ。
そんな未来が、これからも続いていきますように。

2025年10月 4日 (土)

ボードゲームとウォーゲームの難易度を比較してみました

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ウォーゲームって難しそう。いや本当に難しい。でも、いまだたくさんの人に遊ばれてますし、新しく遊び始める人もいます。ウォーゲームと言っても全部難しいわけじゃなくて、やっぱりピンキリなんです。上を見れば『キャンペーン・フォー・ノースアフリカ』という伝説のウォーゲームは公称プレイタイム1,000時間と言われてますし、A4サイズのゲーム盤に駒10個くらいで30分で終わるウォーゲームもたくさんあります。

私が思う入門用ウォーゲームの難易度ってボドゲの重ゲーくらいの感覚。『サイズ』とか『テラフォーミングマーズ』とか『アグリコラ』できる人はウォーゲームを普通に遊べるでしょう。『トワイライト・ストラグル』を遊べる人はもう中級者と言っても過言ではありません。

これら重ゲーを好む人とは複雑に絡んだギミックを理解して、そこに魅力を感じる思考回路を持っているでしょうから実は非常にウォーゲーム向きです(戦史に興味があれば、なおさらベター)。

サンセットゲームズでは最近発売するゲームには難易度を表記するようにしました。
難易度は5段階(1簡単→5激ムズ)で、

入門用   ★
初級用   ★★ 

中級用   ★★★
上級用   ★
超上級用  ★★ 

に分けています。

おおまかに日本語ルールのページ数が基本値でシステムの特殊性が修正値となって私が決めていて、今の時代ならルールブック20ページまでは入門用と考えています。つまり『ドイツ戦車軍団』や『独ソ電撃戦』、『バルバロッサの黄昏』などのスタンダード・コンバット・シリーズ(SCS)といったフルマップ1枚ゲームや『コンバット・インファントリー』などの積み木ウォーゲームは★(入門用)となります。

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『コンバット・インファントリー』等の積み木ウォーゲームは、ゲーム盤は小さめで駒数が少なく、プレイ時間も2~3時間なので★(入門用) です。

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『太平洋艦隊』はマップ1枚のウォーゲームですが、戦略級の陸海空三位一体のルールが複雑なので、難易度★★★★(上級)です。

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ボードゲーム世界でも、かつて入門用だった『カタンの開拓』や『カルカソンヌ』が今は中量級と言われています。今はスマホでいつでも必要な情報を引き出せる時代です。昔と同じ物差しで考えるのはナンセンスでしょう。いろいろなことを考えて基準は変えていかないといけないと思っています。

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世界最高の難易度を持つウォーゲーム『キャンペーン・フォー・ノースアフリカ』。プレイヤー人数8~10名、プレイ時間1,000時間。第二次世界大戦中の北アフリカ戦線で「砂漠のきつね」と恐れられたロンメル将軍の活躍を描いています。写真はロンメル将軍です。

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『キャンペーン・フォー・ノースアフリカ』 はアメリカの人気ドラマ「ビッグバンセオリー」でもプレイ不可能なボードゲームとしていじられてます。

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反対に、最も簡単なウォーゲームの一つ、『ドイツ戦車軍団』の「エルアラメイン」はハーフサイズのマップでプレイヤー人数2人(1人プレイ可)、プレイ時間30分。私個人の体感では『サイズ』より簡単です。

『ドイツ戦車軍団』をもっと知りたい方はサンセットゲームズのBASEショップをご覧ください。写真19枚あります。

サンセットゲームズのBASEショップでは、各ゲームの解説に難易度が表示されています。

Gherawoasaaxtay

2025年10月 3日 (金)

ゲームバランス傾いているところがウォーゲームのおもしろいところ

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独ソ戦は史実ではソ連が勝ちましたけど、ソ連必勝のウォーゲームはダメだ!と言う人たちが出てきて、ドイツが勝ちやすいと史実通りじゃないからダメだ!と言う人が出てきます。さて、どちらが正しいのでしょうか?どちらも正しいのでしょうか?

ウォーゲームには、歴史が背景にあること、ゲームスタート時の両軍の戦力が非対称であること、ゲームの手順が非対称であること。この3つが大きな特徴で、どれもドイツボドゲのメカニズムにはないものです。ゲームバランスがイーブンじゃないウォーゲームもたくさんあります。それどころか、意図的にゲームバランスを一方の側に有利に操作したものまであります。これまで発売された数々のウォーゲームを見ていくと、ゲームバランスがイーブンでないとダメというのは、ウォーゲームに限って言えば当てはまらないのかもしれません。

ウォーゲームが評価される指標はプレイヤーの感想だと私は考えています。簡単に言うと、遊んだ人のプレイ感。このゲームすごくおもしろかった!とか、もう一回プレイしてみよう!という気持ちです。ウォーゲームだけを見て評価するのではなく、ウォーゲームと二人のプレイヤーをセットにした上で、プレイヤーに視点を置いた形で評価するのです。

バルジ大作戦』(通称エポックバルジ)のドイツ軍はドドーンと大突破して爽快感バツグンですが、手練れの連合軍プレイヤー相手にはほぼ勝てないようになっています。これは意図的にゲームバランスを連合軍有利に傾けて、連合軍の価値を高めているからです。その結果、何度も繰り返して遊ばれる名作になりました。

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独ソ戦のようなメジャーテーマだと、テーマが同じでもゲームデザイナーの切り口(再現手法)がそれぞれ違っていて、そのゲームデザイナーの夢や想いが盤上に映し出されます。あるゲームはモスクワが陥落する可能性があったり、別のゲームはモスクワは絶対に陥ちなかったり。ドイツ軍がモスクワを占領したらゲーム終了のゲームもありますし、降伏せずにソ連政府がウラル奥地に逃げて徹底抗戦するゲームもあります。このようなことから、ウォーゲームはしばしば小説や映画にたとえられることがあります。

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良いウォーゲームには、両軍どちらにもカドが立たないように異なる価値を与えて、どちらの陣営でも楽しめる工夫が施されています。その結果が史実と異なり、歴史のifが起こったとしても、楽しく遊び続けられるのであれば、勝敗バランスを傾けるというウォーゲームデザインのテクニックはどんどん使っていくべきだと私は思っています。

【初めてのバルジ大作戦】
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Gherawoasaaxtay

2025年10月 2日 (木)

歴史ボードゲームとウォーゲームの違いを考える

ここ数年の間、ボードゲームとウォーゲームの融合が進んで、ボードゲームにウォーゲームのメカニズムや歴史エッセンスが少しずつ採り入れられているように思います。Xを見ていても、数年前は「ウォーゲーム」と検索しても、デジモンの『ぼくらのウォーゲーム!』ネタしか出てこなかったのですが、最近はボドゲーマーの皆さんからの「私たちの」ウォーゲームネタが見つけられるようになりました。

◆歴史ボードゲームはその名の通り、歴史がテーマです。戦争じゃなくても歴史であれば歴史ボードゲーム。でも、『アグリコラ』みたいに中世の農民をモチーフにしたゲームは普通のボードゲームと考えましょう。例を挙げるとすれば、『トワイライト・ストラグル』を筆頭に『戦国大名』、『シドマイヤーズ・シヴィライゼーション』、『ヒストリー・オブ・ザ・ワールド』、『パックス・ブリタニカ』、『トライアンフ&トラジェディ』、『パックス・パミール』等でしょうか。
歴史ボードゲームは「歴史の背景を持ってはいるものの、史実の忠実性は問われない」ところが大きな特徴です。つまり、ゲームを遊んだ中でパラレルワールドが生まれても批判の対象にはならないのです。たとえば、『ヒストリー・オブ・ザ・ワールド』でローマ帝国がガリア地方やブリタニアに向かわず、中東に攻め進んでも誰も批判しません。歴史ボードゲームの歴史とは、あくまでもエッセンスや素材と考えれば良いかもしれません。

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クラシックボードゲームの傑作『アドバンスド・シビライゼーション』。文明の発展を競います。『メガシビライゼーション』は、このゲームを発展拡大したものです。

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『トワイライト・ストラグル』は、かつてボードゲームギークでランキング1位をキープしていた歴史ボードゲームです。戦後から50年くらい前まであった米ソ冷戦の政治闘争をテーマにした歴史ボードゲームです。

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アラフィフのゲーマーに知らない人はいないとまで言われる『戦国大名』。1980年代の第一次ウォーゲームブームで一世風靡しました。2003年にサンセットゲームズがリメイク版を発売してからずっと売れ続けている傑作歴史ボードゲームです。

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こんなパラレルワールドが起こるのは、歴史ボードゲームならではです。

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◆ウォーゲームは歴史ボードゲームの一種です。私が考えるところ、ゲーム盤がヘクス(六角形マス)で区切られている歴史ボードゲームはすべてウォーゲームです。ゲーム盤がエリアやマスで繋げられているポイント・トゥ・ポイント・システムでも、以下の条件に当てはまればウォーゲームです。
ウォーゲームは戦いをテーマにしています。戦争の一部を切り取った個々の作戦・戦闘(スターリングラード戦とかノルマンディー上陸作戦など)をテーマにしていることが多いですが、戦争全体(第二次世界大戦とかナポレオン戦争など)を再現しているものもたくさんあります。
ウォーゲームは歴史ボードゲームと異なり、「史実の忠実性」が大きく問われます。また、ゲームバランスが平等ではないこと、ゲーム開始時の両軍プレイヤーの戦力が非対称でアンバランス(一方が圧倒的に強いなど)なことが大きな特徴です。これはどちらも「雰囲気作り」を考えた上でゲームデザイナーが意図的に偏重させていることがほとんどです。なぜなら、ウォーゲームは勝敗よりもプレイングを通して雰囲気を味わったり、史実を学ぶことに重点が置かれているからです。実際、入門用として有名なウォーゲームである『ドイツ戦車軍団』に入っている3つのウォーゲームのうち、「エルアラメイン」と「ダンケルク」はどちらも連合軍がほぼ必勝ですが、それでも名作ウォーゲームと言われています。

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ノルマンディー上陸作戦をシミュレートしたウォーゲーム『史上最大の作戦』です。故鈴木銀一郎先生の代表作です。

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以上が私、古角博昭が考える歴史ボドゲとウォーゲームの違いでした。これは異なる意見を否定するものではありません。議論が深まり、歴史ボードゲームに興味を持つ人が増えることを望みます。

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2025年10月 1日 (水)

歴史ボードゲーム(ウォーゲーム)研究家というお仕事

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私、古角博昭は、歴史ボードゲーム研究家です。

歴史ボードゲーム(ウォーゲーム)の制作や協力、執筆、イベント出演、講演などが主な仕事です。

14歳から歴史ボードゲームを遊び始めてもう40年、歴史ボードゲームクラブ「ミドルアース」の代表になってから35年、サンセットゲームズは2000年創業なので今年で26年目です。2019年からはウォーゲームやサイコロなどを手軽にお買い物していただけるBASEショップも開設しました。

私は、高校生の時に「ゲームでメシを食っていこう。30歳でゲーム会社を作ろう」と思い立ち、20代でゲーム雑誌のライターやゲームデザインのお手伝いをした後、29歳でサンセットゲームズを立ち上げました。ちょうど2000年の話です。今は、国産ウォーゲームやTRPGなどの制作・販売の他、アメリカのMMP(マルチマン・パブリッシング)社やカナダのコロンビアゲームズ社の輸入代理店をしています。

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歴史群像』の付録ゲーム「モスクワ攻防戦」(2018年)や「第二段作戦」(2019年)、「ノルマンディーの戦い」(2000年)等の制作や海外メーカーのウォーゲーム制作に協力していて、今年はアメリカのマルチマン・パブリッシング社からいつも一緒にウォーゲームを遊んでいるDSSSM松浦さんがデザインした『OCSルソン』が2024年5月に発売されました。

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『OCSルソン』は、1941年12月の日本軍のフィリピン侵攻がテーマの作戦級ウォーゲームです。オペレーション・コンバット・シリーズ(OCS)の一作で『Operational Matters Volume 2 w/Luzon』という雑誌の付録ゲームになります。現在、サンセットゲームズ公式ウェブサイトで好評販売中です!

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これはゲームクラブ「ミドルアース」で遊んでいる時の写真です。毎月大阪でウォーゲームを遊んでいます。

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これはミドルアースで毎年開催しているウォーゲーム椿温泉合宿の時の写真です。『SPI/HJ第二次欧州大戦』を10名で遊びました!

中学生の時からずっとアバロンヒルやSPI、ホビージャパン、エポック、ツクダ等のウォーゲームを遊び続けています!ウォーゲーム出戻り組のアラフィフの皆さん、あの栄光の時代を一緒に思い出しませんか!大阪市内で活動しているミドルアースのゲーム会で、いつもみんなとウォーゲームを遊んでいます。新しい人もお待ちしてます!

 

昔懐かしいウォーゲームのカタログをまとめました。1980年代半ばの第一次ウォーゲームブームの時のものです。ホビージャパン、ツクダ、エポック、SPI、アバロンヒル、ビクトリーゲームズなど、あの頃はいろいろなウォーゲームが買えました。

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2025年9月30日 (火)

ドイツ軍最後の攻勢、タイフーン作戦が始まった日

1941年の今日はドイツ軍最後の攻勢、タイフーン作戦が始まった日です。「タイフーン作戦」はドイツ軍がバルバロッサ作戦の最後の一撃としてモスクワを南北から両翼包囲する作戦でした。第二次世界大戦の結末は、この作戦の成否で大きく変わっていたと言われています。

私たち、“オールド” ウォーゲーマーにとって、タイフーン作戦と言えば「オペタイ」です。オペレーション・タイフーンです。

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もちろん、かれこれ何度も遊んでいる超有名なウォーゲームです。4年前にもミドルアースのメンバーと遊んだ記事が2つあります。

笑顔があふれるオペタイ6人戦!(2017年2月20日)

『オペレーション・タイフーン』を遊ぶ(2017年11月19日)

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フルマップ3枚の大きな戦場を独ソ両軍が戦います。

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戦力チットシステムなので、独ソ両軍とも戦闘が始まるまでユニットの強さがわかりません。1~3とA~Cでランク付けされているので、装甲部隊はやっぱり強いし、ソ連軍の歩兵はやっぱり弱いです。

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そして、ついに『オペレーション・タイフーン』デラックス版が発売されました!

【限定400個生産】

大きなマップが、さらに大きくなりました!

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オペレーション・タイフーン』は、サンセットゲームズのBASEショップで好評発売中です!

2025年9月29日 (月)

インタラクション強めのゲームが楽しめるようになった話を紹介します

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とてもエエ話です。

1位の人をみんなで妨害するというプレイスタイルは1980年代から遊ばれている、プレイヤーがそれぞれ大名となって戦国時代の覇権を争う歴史ボードゲーム『戦国大名』が起源かもしれないと勝手に想像しています。

“他人の邪魔をする=悪いこと” ではありません。

みんなでゲームをおもしろくするための手段なのです。

2025年9月23日 (火)

北海道もウォーゲームがアツイ!

道東でもウォーゲームが熱い!
『第二次世界大戦の外交戦』はとても気になります!

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