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2025年2月 1日 (土)

歴史ボードゲーム(ウォーゲーム)研究家というお仕事

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私、古角博昭は、歴史ボードゲーム研究家です。

歴史ボードゲーム(ウォーゲーム)の制作や協力、執筆、イベント出演、講演などが主な仕事です。

14歳から歴史ボードゲームを遊び始めてもう40年、歴史ボードゲームクラブ「ミドルアース」の代表になってから35年、サンセットゲームズは2000年創業なので今年で26年目です。2019年からはウォーゲームやサイコロなどを手軽にお買い物していただけるBASEショップも開設しました。

私は、高校生の時に「ゲームでメシを食っていこう。30歳でゲーム会社を作ろう」と思い立ち、20代でゲーム雑誌のライターやゲームデザインのお手伝いをした後、29歳でサンセットゲームズを立ち上げました。ちょうど2000年の話です。今は、国産ウォーゲームやTRPGなどの制作・販売の他、アメリカのMMP(マルチマン・パブリッシング)社やカナダのコロンビアゲームズ社の輸入代理店をしています。

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歴史群像』の付録ゲーム「モスクワ攻防戦」(2018年)や「第二段作戦」(2019年)、「ノルマンディーの戦い」(2000年)等の制作や海外メーカーのウォーゲーム制作に協力していて、今年はアメリカのマルチマン・パブリッシング社からいつも一緒にウォーゲームを遊んでいるDSSSM松浦さんがデザインした『OCSルソン』が2024年5月に発売されました。

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『OCSルソン』は、1941年12月の日本軍のフィリピン侵攻がテーマの作戦級ウォーゲームです。オペレーション・コンバット・シリーズ(OCS)の一作で『Operational Matters Volume 2 w/Luzon』という雑誌の付録ゲームになります。現在、サンセットゲームズ公式ウェブサイトで好評販売中です!

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これはゲームクラブ「ミドルアース」で遊んでいる時の写真です。毎月大阪でウォーゲームを遊んでいます。

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これはミドルアースで毎年開催しているウォーゲーム椿温泉合宿の時の写真です。『SPI/HJ第二次欧州大戦』を10名で遊びました!

中学生の時からずっとアバロンヒルやSPI、ホビージャパン、エポック、ツクダ等のウォーゲームを遊び続けています!ウォーゲーム出戻り組のアラフィフの皆さん、あの栄光の時代を一緒に思い出しませんか!大阪市内で活動しているミドルアースのゲーム会で、いつもみんなとウォーゲームを遊んでいます。新しい人もお待ちしてます!

 

昔懐かしいウォーゲームのカタログをまとめました。1980年代半ばの第一次ウォーゲームブームの時のものです。ホビージャパン、ツクダ、エポック、SPI、アバロンヒル、ビクトリーゲームズなど、あの頃はいろいろなウォーゲームが買えました。

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2025年1月24日 (金)

他人のプレイングを見るススメ

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ゲームクラブに行ったら「何かプレイしないといけない!」と使命感に燃える方は非常に楽しめている人でしょう。ゲームクラブというツールを非常にうまく活用して自分の心を大いに満たしています。でも、ゲームクラブに行っても「何かプレイするのはいやだなぁ」と思っている方もいます。ゲームが下手だから対戦相手が迷惑かけちゃうかも(→だからやらない)とか、見ている方が好きだからとか、そういう理由が多いようです。

ゲームクラブに行ったら、まぁ同じ時間に同じ場所にウォーゲーマーが集まれば、対戦しましょうと言うことになりがちですけれど、我々もいい大人になってきて、若い頃みたいにがむしゃらにプレイしようとする体力・気力がなくなっているのも事実です。

価値の多様化という便利な言葉もあります。人によって遊び方はいろいろ。
ルールを教えてもらったり、プレイレポートや作戦研究をライブで体験できるのが「観戦」なのです。

「ゲーム買ったけどルールがよくわからない」
「プレイしてみたけど、ルールが本当にこれで合っているかわからない」

そんな人こそ、積極的にゲームクラブに行ってほしいと思います。

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ミドルアースでやってる実際のインスト風景です。ウォーゲームは教えてもらった方が断然理解が早いです。一人だとルールを勘違いしていてもずっと気づきません。

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作戦級ウォーゲーム初めての吉水さん(右)にみんなで対戦しながらレクチャー中の風景。おの部長(右から2人目)が手取り足取り教えてくれます。

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ぴょんさんと吉水さんに聞いてみました。
ゲームや業界のことを本音トーク!
チャンネル登録お願いします!

YOU TUBE チャンネル
ミドルアースってどんなところ?

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私たちは一緒に歴史ボードゲームやウォーゲームを楽しんでもらえる方々を募集しています。うまい人よりも楽しい人募集中。最近、数名の新人さんがやってきています。興味のある方、どしどしお問い合わせください。
ウォーゲームの部屋(掲示板)で対戦希望や対戦予定のマッチングを行っていますので、どなたでもご覧下さい。

ゲームクラブ「ミドルアース」公式サイト
http://sunsetgames.cocolog-nifty.com/middleearth/

ミドルアースのメンバーの皆さま、コロナ禍ですが協力し合ってみんなが楽しいゲームライフを送れるようにがんばりましょう!

※サンセットゲームズはミドルアースの公式スポンサーです。

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2025年1月23日 (木)

ゲームを遊ぶ時のおもてなしのココロ

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昨日、ゲームクラブのエエ話したんで今日はプレイヤーの目線からお話しします。ゲームクラブに入るとゲームライフがとても充実するのですが、メンバー10人いるからといって全員と対戦する必要なんてありません。みんな技量も違うし、好みも違うし、プレイスタイルも異なるので、自分に合った人とだけ仲良くしておけば良いのです。雰囲気オッケーのプレイヤーが勝利至上主義ガチプレイヤーと対戦してもおもしろくないでしょうから。

歴史ボードゲームを楽しく遊ぶためには、たくさん大事なことがあります。

さあ遊ぼうよってなった時に必要なのは、やっぱり対戦相手。良い対戦相手との出会いはその人の運命を変えます。じゃあ、良い対戦相手ってどんな人?それは、おもてなしのココロがある人、と私は考えています。対戦相手に楽しんでもらおう、と思うココロがある人。

対戦する前にルールブックを読んでソロプレイしてくる人がいます。その人は高いレベルの対戦を相手に提供できます。ここで言う「高いレベルの対戦」というのは、歴史ボードゲームの魅力を十分に引き出す対戦のことです。正しくルールを理解し、そのメカニズムをうまく運用できた対戦は大いに楽しめることでしょう。

困っている対戦相手に声をかけ、相手が聞きにくいことを聞き出してアドバイスしてくれる人がいます。反対に、アドバイスを押し売りしない人もいます(自分の考えだけで対戦したいと言う人もいるはずです)。会話しやすい環境を作ってくれたり、長考してもじっと待ってくれる人は楽しい対戦を相手に提供できるはずです。

勝敗に関係なく楽しい会話ができる人はすばらしいと思います!対戦相手が勝負どころのダイスロールで良い目が出たり、ゲームに勝つと対戦相手は喜ぶはずです。そういう時は「お見事です!」と対戦相手を大いにほめたたえましょう!

おいしい料理を出しても接客態度の悪いレストランは流行りませんよね。歴史ボードゲームもよく似たもんだと思うんです。過剰に勝ち負けにこだわりすぎて、対戦相手にイヤな思いをさせないように心がけましょう。

対戦相手に対して「遊んでくれてありがとう」と思うココロがあれば、歴史ボードゲームのユーザーはもっと多くなって、もっと豊かになるかもしれません。そして、これからそうなることを願います。きっとそうなると信じています。

「◯◯さんと一緒に遊ぶと楽しい!◯◯さんと一緒にゲームがしたい!」と思われる人になりましょう。

 

歴史ボードゲームの多くは領地拡大や敵の撃破がメインテーマ(勝利条件)になっていることが多いので、相手を攻めないと勝てないのです。攻められた側は機嫌を損ねることも…。それでも楽しむためにはプレイヤー全員の協力が必要です。

『戦国大名』で桶狭間の戦いの時に織田信長が出した「奇襲」の吉凶札(イベントカード)。

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今川義元は実はめっちゃ有能な大名説あります。威信5内政4は織田信長と同じで領国の安定間違いなし。桶狭間の戦いはホントに残念無念でした。

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ゲームクラブ「ミドルアース」では、いつも楽しく遊んでいます。こんなふうに遊んでもらえると『戦国大名』を作った人は大変喜びます。

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『戦国大名』はサンセットゲームズのBASEショップで好評発売中です。

『戦国大名』はプレイヤーがそれぞれ大名となって、天下統一への野望を抱き、戦国時代を生き抜く歴史ボードゲームです(かつてエポック社から発売されていた同名ゲームの再販バージョンです)。プレイヤー全員が戦国大名になって国を大きくしていくのですが、「吉凶札」というランダムイベントによって、下克上や一向一揆が起こったり、南蛮貿易が始まったり、金山を発見したりと戦国時代がめまぐるしく変化していきます。プレイイメージは『信長の野望』をボードゲームにした感覚で、国(エリア)を支配することで金を得て、それで武将や兵士を雇い、城を建てます。軍勢を移動させるにも戦うにも金がかかるため、TRPGとウォーゲームを混ぜたような戦国大名気分を存分に味わえるようになっています。

日本の歴史、特に戦国時代が好きな方や戦略ゲームやボードゲームに熱中したい方、仲間と長時間じっくり遊びたい方にオススメです。

『戦国大名』 には、武将398名が一人ずつ駒になっていて、シナリオは1人用から16人用まで合計20本あります。

2025年1月22日 (水)

出戻りさんがどうやってウォーゲームに出戻ってきたかという話

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1980年代の第一次ウォーゲームブームに学生だった私たち。昭和40年代生まれ。今のボドゲ世代のお父さんと同じ年齢です。私たちの世代の多くは今再び、ウォーゲームの世界に舞い戻ってきます。2023年の今日この頃、出戻りさんたちから聞いた話を少しまとめてみました。

出戻りさんたちがウォーゲームを再び知るきっかけはだいたいヤフオクやメルカリです。30年以上経た今でもヤフーオークションやメルカリにウォーゲームが出品されていることに最初の衝撃を受けるそうです。

「オ~、マジでー!?ウォーゲーム出てるやん」

これをきっかけに出戻りさんのネットサーフィンが始まります。ここで出戻りさんは再び衝撃を受けます。

「まだウォーゲーム売ってるやん!?」

ウォーゲームって検索するとWikipediaでウォー・シュミレーションゲームのページに誘導され、そこには日本のウォーゲームメーカー各社が載っていていて、それぞれのブログやホームページにリンクしています。そこからさらに新しい情報を得てウォーゲーム熱が高まるみたいです。サンセットゲームズのブログ『ウォーゲーム武芸帳』もたまに1日で1,000アクセス越える日があります。これはもしかしたら出戻りさんが15年分の記事を読み返してるのかも??と思っています。

そして、とどめの一撃はこれ。

「ウォーゲーム、今でも遊んでる人おるやん!?」

サンセットゲームズ公式サイトまでたどりついた人はゲームクラブ「ミドルアース」の存在を知り、今だウォーゲームが遊ばれていることがわかります。そして、ゲーム会に見学に行ってみよう…というストーリーが展開されるのでした。

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ここからは余談です。

実は、ここで終わらないのがミドルアース。私は、ミドルアースのメンバーが新しい出戻りさんを暖かく迎える雰囲気作りにとてもこだわっています。今のメンバーはとてもステキな人ばかり。穏やかでいつも笑顔で対戦相手をリスペクトする心を全員が持っています。みんなで一緒に楽しもうという気持ちがとても良く伝わってくるんです。そして、おの部長の存在。彼が新しくやってきた出戻りさんをグイグイ引っ張ってくれるのでホントに助かっています。

今年のミドルアースは公式ブログやSNSで定例会レポート、活動予定、案内情報を充実・発信し「見える化」にこだわりました。その結果、今年の取り組みは大きく成功しました。「歴史ボードゲーム無料相談会」を開いてることも敷居を低くしている要因かもしれません(常に部外者を受け入れるアピールすることで)。「歴史ボードゲーム無料相談会」の案内はTwitterでとてもよく見てもらえています。ゲーム会の対戦調整を掲示版で公開していることも「見える化」の1つです。あと、ミドルアースが持つ大きな長所は「サンセットゲームズが公式スポンサー」であることです。私は全然意識してなかったのですが、何人かの出戻りさんから言われました。

 

出戻りさんがどうやって出戻ってきたか、という話。いかがでしたでしょうか?他のゲームクラブの皆さまの参考になれば幸いです。

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2025年1月21日 (火)

ウォーゲームのルールブックを読んでもよくわからない時の解決方法

ゲームマーケットやミドルアースのゲーム会で、最近20~30代の「現役ゲーマーさん」や「これからゲーマーさん」と話を聞いてみると、彼らは「ウォーゲームを遊んでみたい!」と声を揃えるのですが、そこには一つの大きな壁が立ちはだかっていることがわかりました。

ルールブックを読んでも全然理解できない

ゲームを買いました、ルールブックを読みました、よくわかりません。多くの皆さまはこれみたいです。私が中学生の時(1980年代)も、ツクダ、エポック、ホビージャパン、アバロンヒル、SPIのゲームを持っている同級生は何人かいましたが、実際に遊べていたのは私たちのグループだけでした。考えてみればウォーゲームのルールの書き方って、昔からほとんど進化していません。専門用語は多いし、図は少ないし、ページ数は多いしで、文章もややこしい。それが今のボードゲーマーの声みたいです。

ボードゲームに目を向けてもよく似た状況のようです。先日、20代男性から「カタンのルールがわからないので教えてほしい」とお願いされました。聞くところ、友人がゲームを買ったそうなのですが、二人でルルブを読んでもまったくわからないそう。それならということで、いつも行く中津のボドラボさんでゲームを借りてインストしたらすぐに遊べるようになったのですが、やっぱりルルブ解読のハードルは相当高いようです。ちなみにその彼は「カタン、めっちゃ楽しいです!これから友達と遊びます!」と言って帰って行きました。

以前、大きな話題になった『歴史群像』付録ウォーゲーム「モスクワ攻防戦」や「ノルマンディーの戦い」が非常に多くの皆さまに遊ばれた(30,000部以上売れたと聞いてます)のは、実は山崎雅弘先生がルールの書き方を(歴史群像の読者向けに)かなり変えていまして、とてもわかりやすくなっていることが大きな要因のようです。本当にこれは「非ウォーゲーマー」の方から実際に聞いた話です。

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イベント等でウォーゲームを遊べる場所を提供することはとても大事なことですが、そもそもゲームを買った人が遊べる環境を作ることもウォーゲームを広めるための大命題でしょう。ルールは教えてもらったすぐわかるようになるというのは、ミドルアースのゲーム会で開催されている「歴史ボードゲーム無料相談会」で実証済みなので、それだったらいつでもルールを教えてもらえる場所があれば最高です。そう考えると、継続的なインスト環境を提供できるゲームクラブの存在は超重要です。そして、ゲームクラブには対戦相手もたくさんいます。私たちが日頃遊んでいるミドルアースのゲーム会だと人数が多いので、ゲームや自分の好みによって相性の良い対戦相手も見つかります。

そう考えて、サンセットゲームズはゲームクラブ「ミドルアース」の公式スポンサーになったり、全国のウォーゲームクラブを応援しています。ウォーゲームをちょっと興味があるという方は、世の中が元に戻ったらぜひウォーゲームクラブを訪れてみてください!

▼ミドルアース大阪本部の公式ウェブサイト
http://sunsetgames.cocolog-nifty.com/middleearth/

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※サンセットゲームズはミドルアースの公式スポンサーです。

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2025年1月 9日 (木)

ボードゲームとウォーゲームの難易度を比較してみました

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ウォーゲームって難しそう。いや本当に難しい。でも、いまだたくさんの人に遊ばれてますし、新しく遊び始める人もいます。ウォーゲームと言っても全部難しいわけじゃなくて、やっぱりピンキリなんです。上を見れば『キャンペーン・フォー・ノースアフリカ』という伝説のウォーゲームは公称プレイタイム1,000時間と言われてますし、A4サイズのゲーム盤に駒10個くらいで30分で終わるウォーゲームもたくさんあります。

私が思う入門用ウォーゲームの難易度ってボドゲの重ゲーくらいの感覚。『サイズ』とか『テラフォーミングマーズ』とか『アグリコラ』できる人はウォーゲームを普通に遊べるでしょう。『トワイライト・ストラグル』を遊べる人はもう中級者と言っても過言ではありません。

これら重ゲーを好む人とは複雑に絡んだギミックを理解して、そこに魅力を感じる思考回路を持っているでしょうから実は非常にウォーゲーム向きです(戦史に興味があれば、なおさらベター)。

サンセットゲームズでは最近発売するゲームには難易度を表記するようにしました。
難易度は5段階(1簡単→5激ムズ)で、

入門用   ★
初級用   ★★ 

中級用   ★★★
上級用   ★
超上級用  ★★ 

に分けています。

おおまかに日本語ルールのページ数が基本値でシステムの特殊性が修正値となって私が決めていて、今の時代ならルールブック20ページまでは入門用と考えています。つまり『ドイツ戦車軍団』や『独ソ電撃戦』、『バルバロッサの黄昏』などのスタンダード・コンバット・シリーズ(SCS)といったフルマップ1枚ゲームや『コンバット・インファントリー』などの積み木ウォーゲームは★(入門用)となります。

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『コンバット・インファントリー』等の積み木ウォーゲームは、ゲーム盤は小さめで駒数が少なく、プレイ時間も2~3時間なので★(入門用) です。

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『太平洋艦隊』はマップ1枚のウォーゲームですが、戦略級の陸海空三位一体のルールが複雑なので、難易度★★★★(上級)です。

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ボードゲーム世界でも、かつて入門用だった『カタンの開拓』や『カルカソンヌ』が今は中量級と言われています。今はスマホでいつでも必要な情報を引き出せる時代です。昔と同じ物差しで考えるのはナンセンスでしょう。いろいろなことを考えて基準は変えていかないといけないと思っています。

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世界最高の難易度を持つウォーゲーム『キャンペーン・フォー・ノースアフリカ』。プレイヤー人数8~10名、プレイ時間1,000時間。第二次世界大戦中の北アフリカ戦線で「砂漠のきつね」と恐れられたロンメル将軍の活躍を描いています。写真はロンメル将軍です。

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『キャンペーン・フォー・ノースアフリカ』 はアメリカの人気ドラマ「ビッグバンセオリー」でもプレイ不可能なボードゲームとしていじられてます。

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反対に、最も簡単なウォーゲームの一つ、『ドイツ戦車軍団』の「エルアラメイン」はハーフサイズのマップでプレイヤー人数2人(1人プレイ可)、プレイ時間30分。私個人の体感では『サイズ』より簡単です。

『ドイツ戦車軍団』をもっと知りたい方はサンセットゲームズのBASEショップをご覧ください。写真19枚あります。

サンセットゲームズのBASEショップでは、各ゲームの解説に難易度が表示されています。

2025年1月 8日 (水)

歴史ボードゲームとウォーゲームの違いを考える

ここ数年の間、ボードゲームとウォーゲームの融合が進んで、ボードゲームにウォーゲームのメカニズムや歴史エッセンスが少しずつ採り入れられているように思います。Xを見ていても、数年前は「ウォーゲーム」と検索しても、デジモンの『ぼくらのウォーゲーム!』ネタしか出てこなかったのですが、最近はボドゲーマーの皆さんからの「私たちの」ウォーゲームネタが見つけられるようになりました。

◆歴史ボードゲームはその名の通り、歴史がテーマです。戦争じゃなくても歴史であれば歴史ボードゲーム。でも、『アグリコラ』みたいに中世の農民をモチーフにしたゲームは普通のボードゲームと考えましょう。例を挙げるとすれば、『トワイライト・ストラグル』を筆頭に『戦国大名』、『シドマイヤーズ・シヴィライゼーション』、『ヒストリー・オブ・ザ・ワールド』、『パックス・ブリタニカ』、『トライアンフ&トラジェディ』、『パックス・パミール』等でしょうか。
歴史ボードゲームは「歴史の背景を持ってはいるものの、史実の忠実性は問われない」ところが大きな特徴です。つまり、ゲームを遊んだ中でパラレルワールドが生まれても批判の対象にはならないのです。たとえば、『ヒストリー・オブ・ザ・ワールド』でローマ帝国がガリア地方やブリタニアに向かわず、中東に攻め進んでも誰も批判しません。歴史ボードゲームの歴史とは、あくまでもエッセンスや素材と考えれば良いかもしれません。

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クラシックボードゲームの傑作『アドバンスド・シビライゼーション』。文明の発展を競います。『メガシビライゼーション』は、このゲームを発展拡大したものです。

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『トワイライト・ストラグル』は、かつてボードゲームギークでランキング1位をキープしていた歴史ボードゲームです。戦後から50年くらい前まであった米ソ冷戦の政治闘争をテーマにした歴史ボードゲームです。

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アラフィフのゲーマーに知らない人はいないとまで言われる『戦国大名』。1980年代の第一次ウォーゲームブームで一世風靡しました。2003年にサンセットゲームズがリメイク版を発売してからずっと売れ続けている傑作歴史ボードゲームです。

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こんなパラレルワールドが起こるのは、歴史ボードゲームならではです。

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◆ウォーゲームは歴史ボードゲームの一種です。私が考えるところ、ゲーム盤がヘクス(六角形マス)で区切られている歴史ボードゲームはすべてウォーゲームです。ゲーム盤がエリアやマスで繋げられているポイント・トゥ・ポイント・システムでも、以下の条件に当てはまればウォーゲームです。
ウォーゲームは戦いをテーマにしています。戦争の一部を切り取った個々の作戦・戦闘(スターリングラード戦とかノルマンディー上陸作戦など)をテーマにしていることが多いですが、戦争全体(第二次世界大戦とかナポレオン戦争など)を再現しているものもたくさんあります。
ウォーゲームは歴史ボードゲームと異なり、「史実の忠実性」が大きく問われます。また、ゲームバランスが平等ではないこと、ゲーム開始時の両軍プレイヤーの戦力が非対称でアンバランス(一方が圧倒的に強いなど)なことが大きな特徴です。これはどちらも「雰囲気作り」を考えた上でゲームデザイナーが意図的に偏重させていることがほとんどです。なぜなら、ウォーゲームは勝敗よりもプレイングを通して雰囲気を味わったり、史実を学ぶことに重点が置かれているからです。実際、入門用として有名なウォーゲームである『ドイツ戦車軍団』に入っている3つのウォーゲームのうち、「エルアラメイン」と「ダンケルク」はどちらも連合軍がほぼ必勝ですが、それでも名作ウォーゲームと言われています。

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ノルマンディー上陸作戦をシミュレートしたウォーゲーム『史上最大の作戦』です。故鈴木銀一郎先生の代表作です。

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以上が私、古角博昭が考える歴史ボドゲとウォーゲームの違いでした。これは異なる意見を否定するものではありません。議論が深まり、歴史ボードゲームに興味を持つ人が増えることを望みます。

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2025年1月 2日 (木)

歴史ボードゲーム(ウォーゲーム)研究家というお仕事

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私、古角博昭は、歴史ボードゲーム研究家です。

歴史ボードゲーム(ウォーゲーム)の制作や協力、執筆、イベント出演、講演などが主な仕事です。

14歳から歴史ボードゲームを遊び始めてもう40年、歴史ボードゲームクラブ「ミドルアース」の代表になってから35年、サンセットゲームズは2000年創業なので今年で26年目です。2019年からはウォーゲームやサイコロなどを手軽にお買い物していただけるBASEショップも開設しました。

私は、高校生の時に「ゲームでメシを食っていこう。30歳でゲーム会社を作ろう」と思い立ち、20代でゲーム雑誌のライターやゲームデザインのお手伝いをした後、29歳でサンセットゲームズを立ち上げました。ちょうど2000年の話です。今は、国産ウォーゲームやTRPGなどの制作・販売の他、アメリカのMMP(マルチマン・パブリッシング)社やカナダのコロンビアゲームズ社の輸入代理店をしています。

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歴史群像』の付録ゲーム「モスクワ攻防戦」(2018年)や「第二段作戦」(2019年)、「ノルマンディーの戦い」(2000年)等の制作や海外メーカーのウォーゲーム制作に協力していて、今年はアメリカのマルチマン・パブリッシング社からいつも一緒にウォーゲームを遊んでいるDSSSM松浦さんがデザインした『OCSルソン』が2024年5月に発売されました。

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『OCSルソン』は、1941年12月の日本軍のフィリピン侵攻がテーマの作戦級ウォーゲームです。オペレーション・コンバット・シリーズ(OCS)の一作で『Operational Matters Volume 2 w/Luzon』という雑誌の付録ゲームになります。現在、サンセットゲームズ公式ウェブサイトで好評販売中です!

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これはゲームクラブ「ミドルアース」で遊んでいる時の写真です。毎月大阪でウォーゲームを遊んでいます。

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これはミドルアースで毎年開催しているウォーゲーム椿温泉合宿の時の写真です。『SPI/HJ第二次欧州大戦』を10名で遊びました!

中学生の時からずっとアバロンヒルやSPI、ホビージャパン、エポック、ツクダ等のウォーゲームを遊び続けています!ウォーゲーム出戻り組のアラフィフの皆さん、あの栄光の時代を一緒に思い出しませんか!大阪市内で活動しているミドルアースのゲーム会で、いつもみんなとウォーゲームを遊んでいます。新しい人もお待ちしてます!

 

昔懐かしいウォーゲームのカタログをまとめました。1980年代半ばの第一次ウォーゲームブームの時のものです。ホビージャパン、ツクダ、エポック、SPI、アバロンヒル、ビクトリーゲームズなど、あの頃はいろいろなウォーゲームが買えました。

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2024年12月17日 (火)

今の日本にウォーゲーマーは何人いるのか?

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「今の日本にウォーゲーマーは何人いるのか?」

Xでは、定期的に出てくるネタで、1,000人くらいとか3,000人くらいとか言われることが多いようです。

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先日、従来の大容量カウンタートレイが売り切れて、新型マークⅣを投入したわけですが、前モデルがちょうど4年で10,000個完売しました。

ということは、大容量カウンタートレイは平均で毎月200個以上売れている計算になります。

この数字はウォーゲームも比例して売れていることを意味します。

今の日本のウォーゲーマーは、必ずしもユニットの収納にカウンタートレイを使っている人の割合はそんなに多くありません。私の周りでも100均の薬ケースやジップロックで収納する人のほうが圧倒的に多いです。

1,000人や2,000人のウォーゲーマーの実需だけで、大容量カウンタートレイが4年で10,000個完売すると考えるのは相当難しいように思います。

もしかすると今の日本には、ウォーゲーマーは実は数万人いるのかもしれません。

2024年12月15日 (日)

LINEグループ「ウォゲマッチ」が良いです!

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DSSSM松浦さんが自身のブログ「ウォーゲームで歴史に思いを馳せる」で、LINEグループ「ウォゲマッチ」を紹介しています。

新しく知り合ったウォーゲーマーの方々と「こんなゲームもプレイしたい、あんなゲームも……」という情報がやりとりできたらと思って作ったLINEグループです。

今のところ、私を含めて25名います。

より以前の記事一覧

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