6月25日、朝鮮戦争開戦の日
6月25日は朝鮮戦争が始まった日です。
ウォーゲームの世界では、この戦争をテーマにした作品は決して多くありません。その中でも、日本のウォーゲーム史において特別な存在なのが、鈴木銀一郎先生の『THE KOREAN WAR』です。
実はこの作品、1980年代にエポック社から発売されながら、ほどなく市場から姿を消した「幻のウォーゲーム」として知られています。
「朝鮮戦争」というテーマの難しさ
『THE KOREAN WAR』が英語タイトルなのには理由があります。
再販にあたり、鈴木銀一郎先生や当時のエポック社関係者からお話を伺いましたが、「朝鮮戦争」というテーマそのものに、当時の社内では慎重な見方があったそうです。
鈴木先生は、この作品をエポック社ワールドウォーゲームシリーズの第一弾にしたいと考えていました。しかし、テーマへの配慮もあり、シリーズは『独ソ電撃戦』『日露戦争』『砂漠の狐』といった作品からスタートすることになりました。
そうした経緯もあり、『THE KOREAN WAR』は長く幻の作品として語られることになります。
鈴木銀一郎先生の原点
意外に知られていませんが、『THE KOREAN WAR』は鈴木銀一郎先生のウォーゲームデザイナーとしての処女作です。
ルールは非常にシンプルで、基本は「移動→戦闘」の繰り返し。しかし、北朝鮮軍戦車だけが特別な「戦車移動フェイズ」を持ち、韓国軍ユニットのZOCを無視して1ターンに2回移動できます。
開戦初期の戦車部隊による電撃的な進撃を、わずかなルールで見事に表現しています。一方で戦車ユニットは3個しかなく、一度失えば戻ってきません。いつ投入し、どこで温存するのか。その判断がプレイヤーを悩ませます。
シンプルながら歴史的状況を自然に表現した、鈴木先生らしい傑作です。
今日という日に
残念ながら『THE KOREAN WAR』は現在絶版となっており、新品で入手することはできません。
それでも、「昔買って、そのまま押し入れにしまってある」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
6月25日という日に、久しぶりに押し入れや本棚から箱を取り出して眺めてみるのも、ウォーゲームの歴史を振り返る良い機会かもしれません。
日本のウォーゲーム史に残る一作として、『THE KOREAN WAR』がこれからも語り継がれていくことを願っています。
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