海外ボードゲームを譲渡する時の日本語ルールに関する注意事項
MMP社『ストームオーバー・エルサレム』の日本語ルールができました。カードやプレイエイドも完全日本語化です。
海外のゲームを(有償でも無償でも)他人にあげる時、添付されている日本語ルールには一定のルールがあります。
紙の日本語ルールならば、一度譲渡された著作物に対してはその後の譲渡には譲渡権が及ばない「消尽」という考え方が認められています。例えば、ショップから買ったけどいらなくなったゲームに付いている日本語ルールはそのまま添付して譲っても大丈夫です。この場合、著作権者の許諾は必要ありません。
このような時にもいちいち著作権者の許諾を必要としてしまうと、著作権者から、譲渡はダメと言われたり、お金を請求されたり、書面提出などの手続きが必要とか言われる可能性があります。そうなると世の中全体でそのモノの流通が少なくなり、その結果、そのモノ自体の価値が下がってしまい、著作権者自身の利益が少なくなることになります。誰も得しません。
ウォーゲームの日本語ルールを例にあげると、日本語ルールが付いていないゲームは売れないし、誰も買わないし、プレイされない確率が高いでしょう。反対に日本語ルールが付いているゲームは、売れやすく、買いやすく、プレイされる確率も高く、譲った人と入手した人は日本語ルール作った人に対してリスペクトと感謝の気持ちを送るでしょう。売った人、買った人、制作者全員がwin-win-winでウォーゲームの裾野も広がります。だから法律はそれを許しているし、私もこの方が良いと考えています。
しかし、日本語ルールをデータでもらうと「デジタルコンテンツ」のルールが当てはまり、譲渡するたびに著作権者の許諾が必要です。デジタルコンテンツは原則コピーすることが禁止されているからです。このコピーとは、データで渡すことと紙にプリントアウトすることの両方を意味します。つまり、データでもらった日本語ルールを許諾なくプリントアウトしてゲームに添付して譲渡するのは違法なのです。
ここまで一般的なルールを説明しましたが、ここからはサンセットゲームズの特別ルールです。
サンセットゲームズが提供している日本語ルールは、たとえPDFデータでお渡ししているものでもゲームを譲る時に添付して大丈夫です。積みゲーになっているより新しいプレイヤーにトレードされた方がゲームも喜ぶし、譲った人はもらったお金でまたゲームを買うと思うからです。
サンセットゲームズは皆さまのより良いウォーゲームライフを願っています。
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