『ブリッツクリーク・レジェンド』のキャンペーンゲームが始まります
松浦さんの自宅で開催されている尼崎会で、今度の日曜日からオペレーション・コンバット・シリーズ(OCS)の『ブリッツクリーク・レジェンド』のキャンペーンゲームが遊ばれるそうです。松浦さんのブログ、ウォーゲームで歴史に思いを馳せるで紹介されています。
『ブリッツクリーク・レジェンド』は1940年の黄作戦、ドイツ軍のフランス侵攻作戦をフルマップ2枚でほぼ完全に再現するウォーゲームです。最近の研究で黄作戦もどんどん見直され、2013年に発表された『The Blitzkrieg Legend:The 1940 Campaign in the West』(Karl-heinz Friese著)を基にゲームデザインされた逸品です。
OCSシリーズルールv4.3の日本語ルールと日本語チャートは、サンセットのゲーマーズの商品案内ページから無料でダウンロードできるようになっていますので、よければ読んでみてください。以下はゲーム専用ルールに付いているデザイナーズノートです。
『ブリッツクリーク・レジェンド』デザイナーズノート
このゲームの名前は、『The Blitzkrieg Legend:The 1940 Campaign in the West』[訳注:原典はドイツ語の書籍『Blitzkrieg-Legende. Der Westfeldzug 1940』。邦訳『電撃戦という幻』大木毅・安藤公一共訳]という本からとられています。カール・ハインツ・フリーザー氏が執筆したこの本は、「1940年の奇跡」がどのように起こったのかを詳細に分析し、それが当初から「電撃戦」として計画され実行されたという伝説が間違っていることを白日の下に晒しました。この本は、この戦役を俯瞰する入門本や、この戦役の物語ではなく、戦役が勝利に向けて導かれる個々の局面を非常に詳しく述べたものです。
フリーザー氏の分析によれば、「電撃戦」の伝説は、この戦役が終わった後に作られたものです。フランスの敗北はドイツが新たに考案した電撃戦によるものだと説明され、この戦略があまりにも革新的であったために連合軍が敗北したのはやむを得ないとされたのでした。
電撃戦はナチスのプロパガンダでも、ヒトラーによって新たに考案された革命的な戦争という伝説を作るために利用されました。このように、勝利した側にとっても敗北した側にとっても、電撃戦は好ましいものとして受け入れられたのでした。
ところが、1940年のドイツ軍の成功は事前に計画されてそうなったものなのではなく、むしろこの戦役の間、ドイツ軍の上級司令部は予想以上の大成功に怯えていたのです。実際、装甲部隊がセダンを突破した時、ヒトラーはそのことを「完全に奇跡だ」と言ったほどでした。ヒトラーと多くの老将軍達は、すぐに装甲師団の前進スピードに懸念を示し、これはなにか連合軍の罠に突っ込んでいっているのではないかと考え始めました。この罠に対する恐怖と、幾人かのドイツ軍前線指揮官(特にグデーリアン)の独断の行動が、ダンケルク直前での停止命令の原因となったのでした。
私がディーン氏から最初に学んだことは、実際に起こった状況へ導くようにルールを作ってもうまくいかないということでした。それで私はデザインの力を抜いて、OCSシリーズの長所を利用しようと考えました。アクション・レーティングや移動力、司令部の補給範囲等の基礎的な数値こそが、コマンド・コントロールにおいて相対的な相違を見せられる数少ない明確な手段でした。最終的に私が目指したものは、当時のドイツ軍と連合軍の指揮官達が置かれた状況にプレイヤー達に立ってもらえるゲームでした。圧倒的なドイツ軍の勝利が完全には確定していない状況を楽しめるように願っています。
プレイレポートが定期的に公開されると思います!
乞うご期待!!
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