歴史群像の『モスクワ攻防戦』を徹底解剖してみた
ちまたで評判の『モスクワ攻防戦』、昨日のミドルアースのゲーム会でも楽しく対戦されていました。ドイツ軍必勝という話をよく聞きますが、ミドルアースではそんなことはありません。ソ連軍が勝ったり、ドイツ軍が勝ったりしています。
ドイツ軍必勝と思っているプレイヤーの皆さん、ソ連軍はしっかり攻撃してますでしょうか?このゲームのポイントをいくつか紹介します。ソ連軍はドイツ軍よりも運用が難しいので、最初はドイツ軍が勝ちやすいみたいです。でも研究を重ねれば、ソ連軍でもちゃんと勝てるんです。
ソ連軍のコツ
●第2ターンから可能な限り1:1攻撃をしかけましょう。ダイスの目3以上でドイツ軍に1損害与えられます。
●逃げられないユニットはとにかく攻撃しましょう。その方が1ターン早く帰ってきます。たとえば、第1ターンのソ連軍戦闘フェイズにAEで除去されると第2ターンの増援になりますが、次の第2ターンのドイツ軍第1戦闘フェイズに除去されてしまうと、第3ターンの増援になります。登場が1ターン遅れるわけです。しかも、ドイツ軍第1戦闘フェイズで戦闘後前進されると、ドイツ軍ユニットに1ヘクス余分に移動されてしまいます。
●ソ連軍ユニットは除去されても次のターンに再登場します。再登場、前進、攻撃を繰り返しましょう。特に序盤は除去された方が早くモスクワに戻れるのでラッキーです!
●第2ターンと第3ターンの増援のほとんどのソ連軍ユニットをツーラ方面に展開して、ドイツ装甲部隊と消耗戦に持ち込みましょう(それがわかっているドイツ軍、装甲だけのツーラ強襲を避けるのが最近のトレンドです)。南方戦線は歩兵がなかなか追いつかないのでドイツ装甲ユニットが孤立しがちです。
●ソ連軍は地形が険しい北部戦線の展開が難しいです(青チームのドイツ第3装甲軍の攻撃正面が狭いので攻撃のチャンスが少ないため)。カリーニンは死守し、取られたらすぐに奪還する攻撃をしかけましょう。
●ドイツ軍プレイヤーが損害を平均化するために各軍を混ぜて運用してきたら、全戦線にわたって一色だけ狙い撃ちしましょう。
このようにゲームを進めていくと、ターンオーバーする頃にはドイツ各軍は大損害を被っているはずなんです。昨日は二戦ともそんな展開でした。
下の写真は一戦目のソ連軍が勝った時の第5ターン終了時。モスクワ前面は黄色のウラのユニットばかりですけど、実はAEが連発して前線のユニットはターントラックに山積みになってます(笑)それでも、この後のドイツ軍、しっかり赤い波に押し戻されていきました。
二戦目はドイツ軍が勝ちましたけども、第6ターン終了時のドイツ軍の損害は3-8-8で薄氷の勝利でした。ソ連軍の冬季攻勢中、ダイスはドイツ軍に味方したためです。後半はだいたいダイス勝負にもつれ込みます。第1ターンから第6ターンまで毎ターン終了時の写真撮っていますので、順に見ていってください。皆さんのプレイングの参考になれば幸いです。お手数ですが、左上のターンマーカーでターン数確認してくださいませ。
そんなわけで、『モスクワ攻防戦』はとても楽しい対戦でした。ルールブックも初心者用にわかりやすく書かれていて、ウォーゲームの最初の一歩にぴったりです。皆さんもどしどし遊んでください。
とにかく、ソ連軍はどんどんユニットを「回していく」ことが大事ですよ!
ソ連軍の1:1攻撃は当時のソ連軍の攻撃重視ドクトリンを反映したものです。特に将校が少なかった1941年のソ連軍は難しい作戦を行えなかったため、各部隊が個別に反撃して(そして大損害を受けながら)ドイツ軍の進撃を遅らせるパターンが普通でした。スモレンスクの戦いなどはその典型です。
戦闘結果表の1の目がAEなので、よりソ連軍らしい負けっぷりでプレイングに大きく楽しいアクセントを加えることでしょう。
歴史群像の『『モスクワ攻防戦』、ちょっとやってみたけどわからないとか対戦相手がいないけど二人対戦したいなどなどのお悩みをお持ちの方々は、ミドルアースのゲーム会に来てもらえると、いつでも私がお教えいたします。
ぜひぜひお気軽にどうぞ!
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